口腔粘膜疾患|八王子スカイデンタルクリニック|京王八王子駅の歯医者・歯科

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口腔粘膜疾患

口腔粘膜疾患|八王子スカイデンタルクリニック|京王八王子駅の歯医者・歯科

お口の中のできもの、何か以前と違った感覚など気になる症状はありませんか。口腔内の病変、異変は自分自身では見えにくく、変化に気づかないことも多々あります。症状によっては、早い段階で治療や検査を受けておいた方が良いこともあります。もし気づいたら、ほっとかないで一度専門(歯科口腔外科)での診察を受けましょう。

口腔粘膜疾患

口腔粘膜疾患

口は消化管の入り口です。歯の他は口腔粘膜(舌、歯肉、口蓋、頬など)と呼ばれる粘膜で覆われています。口腔粘膜疾患とは、広くこの粘膜に症状を呈する疾患を指しています。白色や赤色に変色したり、水疱ができたり、表面の凸凹、不整な形、ヒリヒリした痛みがあるなど様々な兆候を示します。
口腔粘膜疾患には口腔粘膜のみに生じる病変を生じる場合と、思わぬ全身疾患の部分症状として口腔粘膜に症状を現す場合、そして口腔粘膜と多くの共通点を持つ皮膚疾患の部分症状としての病変を現す場合、また悪性腫瘍の場合もあり注意が必要です。
口腔粘膜は食事、歯、義歯などによる刺激や、食物などで汚れやすいことから容易に感染をおこしやすく、本来の典型的な形で病変が現れずにむしろ様々な変化を起こした状態で受診される事が数多くあります。このような特殊性から歯科・口腔外科のみならず他の科と連携、協力しながら検査、診断、治療に当たることが多いのが口腔粘膜疾患の一つの特徴でもあります。

代表的な口腔粘膜疾患

再発性アフタ

アフタは直径数ミリ大の円形の浅い潰瘍で、潰瘍の表面は灰白色~黄白色の偽膜で覆われ、潰瘍の周囲は赤くなっています。食物や歯ブラシなどがちょっと触れただけもズキッとした強い痛みを覚えます。また刺激性の食物や熱いもの、塩辛いものがしみたりします。アフタは何もしなくても1~2週間で治ります。アフタが再発を繰り返す場合に再発性アフタといいます。

原因

原因は不明です。機械的刺激、遺伝性、極端な疲労、ストレス、あるいは片寄った栄養摂取などいろいろな要素が絡み合って発症するといわれます。

治療

副腎皮質ステロイド薬入り軟膏や口腔粘膜貼付薬、うがい薬を投与しますが、時に内服薬を用います。

白板症

口腔粘膜、とくに頬粘膜や舌、ときには歯肉にみられる白い病変で、こすっても剥離しないものをいいます。白板症は比較的頻度も高く、とくに舌にできたものは悪性化する可能性が高いため、前がん病変の代表的なものとされています。びらんをともなうこともあり、接触痛や食べ物がしみたりします。

原因

喫煙やアルコールによる刺激、義歯などによる慢性の機械的刺激、ビタミンAやBの不足、さらに加齢や体質なども関係するといわれています。

治療

ビタミンAを投与したり、禁煙により治癒することもあります。硬結や潰瘍をともなうものは初期がんが疑われるため、必ず組織をとって検査する必要があります。白い部分が厚いもの、隆起したもの、びらんや潰瘍を伴うものは悪性化する可能性が高いので、切除します。長年かかって悪性化する場合もあり、長期にわたる経過観察が必要です。

紅板症

紅色肥厚症ともいわれ、舌、歯肉、その他の口腔粘膜に発生します。鮮紅色でビロード状、表面は平滑な病変です。境界は明瞭なものが多くみられます。初発症状として多くの症例で刺激痛が認められます。一般的に50歳代以上の高齢者が全体の80%を占めています。
紅板症の50%前後が悪性化するといわれています。

扁平苔癬

皮膚や粘膜にできる角化性で炎症をともなう難治性の病変です。口腔では頬粘膜に多く認めますが、舌や口唇にも生じます。白い粘膜の角化がレース状にみられ、周囲に発赤を伴うのが特徴です。しばしば、びらんや潰瘍を形成し、接触痛を認めたり、食物がしみたりします。まれにがん化することもあります。

原因

アレルギー、とくに歯科用金属によるものや遺伝的素因、自己免疫疾患、びたにストレスなどの精神的因子、さらに代謝障害などの関与が考えられていますが、正確な原因は不明です。

治療

局所的には、うがい薬や副腎皮質ステロイド薬を含む軟膏を使います。歯科用金属によるアレルギーが疑われる場合は、原因と思われる充填物や冠を除去する必要があります。これらを除去する前に、歯科用の金属アレルギー検査を行います。

口腔カンジダ症

主ににカンジダ・アルビカンスという真菌によっておこる口腔感染症です。急性型と慢性型があります。口腔粘膜の痛みや味覚障害が出ることもあります。
急性型である偽膜性カンジダ症は灰白色あるいは乳白色の点状、線状、あるいは斑紋状の白苔が粘膜表面に付着しています。この白苔をガーゼなどでぬぐうと剥離可能ですが、剥離後の粘膜面は発赤やびらんを呈しています。白苔が認められない萎縮性あるいは紅斑性カンジダ症は舌乳頭の萎縮や粘膜の紅斑が特徴で、偽膜性よりもヒリヒリとした痛みが強くなります。口角の発赤、びらん、亀裂を認める口角炎もカンジダが原因になっていることが多くあります(カンジダ性口角炎)。病変が慢性に経過した肥厚性カンジダ症では、白苔は剥離しにくく、上皮の肥厚を伴うようになります。

原因

カンジダ菌は口腔内の常在菌の一種で、普段はある程度以上は菌数が増えないように他の菌と共存しています。しかし、副腎皮質ステロイド薬の投与や糖尿病、全身衰弱などによって免疫力が低下している状態、唾液量の減少、長期間にわたる抗菌薬の服用などにより、常在菌間のバランスが崩れ、カンジダ菌が異常に増殖し、病原性を発揮することにより発症します。

治療

口腔内の清掃、抗真菌薬を含むうがい薬や塗り薬を使用しますが、時に抗真菌薬の内服を必要とすることもあります。

口腔乾燥症

口渇は水分の摂取量が少なかったり、急激に多量の水分が失われた時に生じます。慢性的に水分の摂取量の不足が続く場合は、全身的な疾患や何か重大な障害(たとえば腫瘍による嚥下困難)が考えられます。大量に水分を喪失する場合としては、高熱による多量の発汗や糖尿病による多尿など、原因となる重大な疾患があり、脱水の結果として口渇が生じます。
抗ヒスタミン薬や制酸薬、降圧薬や向精神薬の服用でも唾液分泌は少なくなります。
口腔がんや咽頭がんなどの放射線治療後では顕著な唾液分泌現象がおこることがあります。
鼻づまりによる口呼吸は口腔粘膜の乾燥を促し、義歯が唾液の分泌を抑制する場合もあります。
また、シェーグレン症候群でも、唾液腺の分泌機能が著しく障害されるために口腔乾燥症がみられます。この病気では、同時に涙の分泌量も減少し、目の乾燥もみられます。

治療

シュガーレスガム、レモンなど唾液分泌を促進させるものを摂取する、人工唾液で唾液を補充するなどの対症療法が効果的です。近年、シェーグレン症候群による口腔乾燥に対しては唾液分泌を促進させる薬剤である塩酸セビメリンや塩酸ピロカルピンが開発され、高い効果を認めています。
また、鉄欠乏性貧血など、全身性疾患の部分症状として、萎縮性の舌炎とともに口渇がみられる場合があります。このような場合は、原因疾患に対しての治療が必要になります。

ウィルス性口内炎(ヘルペス性口内炎、帯状疱疹)

ヘルペス性口内炎

単純性ヘルペスウィルスによる初感染で、疱疹性歯肉口内炎ともいわれます。一般には不顕性感染ですが、数パーセントが顕性感染としてヘルペス性口内炎の形をとります。大半が小児にみられますが、近年では核家族化に伴い大人にもみられます。

症状

全身的に発熱や倦怠感がみられます。口腔粘膜には多数の口内炎ができ全体に発赤し、特に歯肉の発赤、腫脹、びらんが特徴で口腔内は不潔となり、口臭が強くなります。自発痛や接触痛も強く、噛むこと、飲みこむこと、話すことすら困難になることがあり、顎下リンパ節も腫れます。

治療

入院した上で治療を行う必要がある場合があります。全身的な管理とともに、食事が困難な場合には、点滴やチューブで栄養を補給する必要があります。抗ウイルス薬による治療を行います。必要に応じて消炎鎮痛薬や二次感染の予防として抗菌薬の投与を行ないます。局所的には、うがい薬やトローチで口腔内を清潔に保ちます。

帯状疱疹

子供の時になった水痘帯状疱疹ウイルスが、神経内の付け根に残っていて、体調が悪いとそれが活性化されて発症します。神経の支配する領域に一致して、発疹が多発します。三叉神経領域の顔面皮膚に好発します。広い範囲に帯状に発赤と小水疱がでます。必ず体の右または左側だけブロック状に発生し、全身に拡がることはありません。強い痛みを伴い、重症化する場合もありますので注意が必要です。

治療

重症の場合は入院が必要となり、全身的な管理とともに、食事が困難な場合には、点滴やチューブで栄養を補給する必要があります。抗ウイルス薬、消炎鎮痛薬のほか、二次感染の予防として抗菌薬の投与を行います。局所的にはうがい薬やトローチで口腔内を清潔にします。
帯状疱疹後には神経痛がのこることがあり、消炎鎮痛薬で奏効しない痛みに対しては、神経ブロック療法が必要になる場合もあります。

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